左手も痛い!

  • 2009/11/20(金) 20:54:52

11・20
毎月20日は巡ってきます。当たりまえだけどめぐってきて、宮ぷーが倒れたのが2月20日だったので、ああ、何月経ったんだなあと想うのです。丸9ヶ月。9ヶ月経ったんだなあって、今日も思いました。
 だんだんと忘れるくらいになれたらいいのかもしれないなあと思います。前は今よりもっとあせりのきもちがあって、その中に、たとえば、意識が戻るのに、日にちが経ては経つほど戻りにくくなるというようなことを聞いていたり、体が動いたりするのも、日にちが経てば経つほど、動かしにくくなると思ったのだと思います。
 けれど、そんなことは気にすることじゃないよと今は少し思えるようになってきました。脳はいつも無限の可能性を持っているよね。子供たちだってそうだったよ。中学生になったら、もうおしゃべりをしだすことはないと書いてあったとしても、かおりちゃんは中学2年生でお話をしだしたよ。大ちゃんも、中学生であんなにすごい詩を書き出した。何年もたって、トランポリンをしだして、歩けるようになられたって方もテレビで拝見したよ。
 でも、ああ、9ヶ月かあって、今もやっぱりちょっと思っちゃうのはどうしてかな?たぶん心の中に、いつか、リハビリが終了してしまうんだって思うのが怖いのかもしれません。宮ぷーにとって、先生とお目にかかれて、毎日のようにリハビリをしていただけていることが、本当にどんなに大きなことだろうと思うのです。昨日手が動き出したことだって、お祈りの力もすごく大きいけれど、やっぱり手のリハビリの先生が毎日、これ以上できないくらい愛情を宮ぷーに注いでくださることがあって、そして、お祈りがきっかけとなり、ぐーっと力が前に進むのだと思うのです。
 先生は、宮ぷーがつらいときも、本当に一緒につらそうにして、「うーん、そうですか。つらいですねえ」って言ってくださる。手を動かすときには「まだです。まだがんばれます」っておっしゃるんだけど、すごく優しくて、大好きになっちゃうよ。
 ずっとそばにいていただけたらなあ、こんな日が永遠に続けばいいのにって思うけど、それはかなわないこと。
だって、毎日のように救急車がサイレンをならして、病院に入ってこられるよ。その方たちも、すぐにリハビリが始まると思うのです。宮ぷーがそうしていただけたように。そして、リハビリは私たちのすごい大きな光だったのです。家族にとっても、そばにいる人にとってもリハビリは大きな力。聞こえていないといわれていても、何もわかっていないといわれていても、回復を信じて声をかけてくださる。小さな変化もみのがさずに、伝えてくださる。私たちも毎日、先生方が言ってくださることで、前へすすめたと思うのです。絶望から救ってくださった恩人だなあと思います。
病院へ行くと、ひげだらけの宮ぷー。お口もたぶん洗っていなくて、お風呂も熱があるから仕方がないけれど、もう入れなくなって2週間目。

「わあ、宮ぷー、大変だ。かっこちゃんが来るのに、おひげそりもいやだー。歯磨きも嫌だーって言ったんだ」と言うと、宮ぷーは「いきができないから・・・」とレッツチャットするも、私は、「だって、もし脳幹出血だから、息がつらいのだとしたら、それで、ずっとおひげがそれないんだったら、黒ひげ機器一発になっちゃうもんね。かっこは、すごく優しくそっちゃう名人だから、だいじょうぶだもんねー」と言いながら、おひげを剃って、歯も磨いちゃう。ついでに顔もホットタオルで拭いちゃって、手も足も拭いちゃう。「わあ、男前宮ぷーの出現だあ」

宮ぷーは、やっぱりつらくて、「いきができないいたいあしいたいひだりて」と言う。痛いのは、どんなにつらいだろうと思ってから、あれ?左手? 足も左足も?と聞くとそうだと宮ぷーが言いました。

「ね、ね、宮ぷー、左足、感じるようになったの? 左手も感じるの?」

だって、私、宮ぷーが倒れてから、手や足をタオルでこするのが日課でした。だって、脳から情報が伝わって、手や足や体が動くのかもしれないけど、でも、逆に、手や足や体を外の力で動かしたり、外の力でこすったりさわったりしても、逆に、手足から、脳へと情報がつたわって、軸策を伸ばすはずってずっとそう思い続けてきたから、本当にしょっちゅうこすっていたのです。宮ぷーは右足は感じるけれど、左足は感じないと言っていたから、痛いということは感じるということ?あわてて左足をさわると、宮ぷーは感じるって言ったよ。触って「どっちの足だー?」と言って、右足?というと違うという。左足と聞くとそうだと言う。わー、正解だよ。すごいよ。でも、左手は、触られても感じないという。でも、もうすぐだよ。また感じられるようになるよ。

息が苦しそうだったけれど、みなさんからいただいて、星野さんが携帯に送ってくださった感想をベッドの脇に座って、いくつも読んでいるうちに、宮ぷーのつらいのがおさまってきたみたいでした。表情が穏やかになってきたのです。

そのあと、昨日すごく動いた右手を持って、お祈りするみたいに私の頭のちかくに置いたのです。そうしたら、宮ぷーがその手で私の頭をポンポンポンってたたいたんだよ。そして指をのばして、私の髪の毛を指で触ってくれたんだよ。わあ、宮ぷーが私の頭を、宮ぷーの意思で、手を動かして触ってくれた。ワーンワーン。宮ぷーが私の頭を触ってる。顔をくちゃくちゃにして泣きました。ワーンワーン、宮ぷー、宮ぷーが宮ぷーが私をなぜてくれたよーってワンワン泣きました。宮ぷーは咳をするみたいにうれしくて笑ってたよ。私がうれしくて泣いていて、宮ぷーがうれしくて、笑っていたよ。宮ぷーありがとう。今日で9ヶ月。宮ぷーが倒れて9ヶ月。すごくうれしいプレゼントをありがとう。宮ぷーはにーって何度も笑ったよ。うれしいうれしいうれしいよ。

看護婦さんと介護士さんが来てくださったときに、私うれしくて今泣いていたのとお話をしたのです。だって、本当に顔をくちゃくちゃにして泣いていたから。看護婦さんは、すごいね、よかったね。手をもっといっぱい動かさなくちゃ。次はひじ、そして、肩、どんどん動かして泣かさなくちゃねって言ってくださったよ。介護士さんは、「このごろ、宮田さん、本当に表情豊かで僕もうれしくてね。このあいだも、宮田さんは甘党ですか? 僕は辛党ですって話していたら、にっこりしてくれてね。泣いたり笑ったり、表情が本当に豊かになって。6階に来たばかりのときは、表情なんて、ぜんぜんなかったのに」そう言ってくださいました。

痛いのはつらいけど、それも、うれしいこと。手で頭ぽんぽんしてくれて、表情も豊かになって、ああ、今日もうれしいことがいっぱいだよ。