一足早いお年玉

  • 2009/12/28(月) 12:16:41

12・28
今日は雪絵ちゃんのお誕生日。予報は雪。きっと雪絵ちゃんが帰ってくるよ。そして、私たちにきっといいことを運んでくれるよ。
そう思っていたら、
わーい。やったー!! やったー!!
宮ぷーに、お正月の外出許可がおりたんだよ。
宮ぷーも恭子ちゃんも、そして私も大喜び。

実は私は昨日、また出血していたらどうしようと気になって、血の色を思い出して怖くて眠れませんでした。それで、朝早く、出張に行く前に病院へ行ったのです。
たくさんの方が祈ってくださって、熱もなく、出血もしていなくて、すごくほっとしました。
今日は、看護婦さんが先生に外出のことについて聞いてくださることになっていました。そのとき看護婦さんは「宮田さんからも言ってね」と言われていたのです。それで、宮ぷーはレッツチャットで、「おしょうがつにがいしゅつしたいのでおねがいします」という文章を前もって作っていました。
 出張の間も、どうなったかなあと気になっていたのです。出張から帰るとすぐに恭子ちゃんが「かっこちゃん、外出許可がおりたよ」と教えてくれました。宮ぷーの希望は家へ帰ること。「帰ってなにするのっておにいちゃんに聞いたら四つ葉って言うんだよ」
そっか、宮ぷー、四つ葉と遊びたいよね。でもね、いっこちゃんのお義父さんが亡くなったでしょう。四十九日が1月3日なの。だから、いっこちゃんはきっと1月1日とか2日とは大忙しなの。私が連れてきて、またいっこちゃんのところへ連れて行くということもできなくはないけど、でも、私はずっとリハビリしたいなあ、今度のお楽しみにしたらどうだろう。そういうと、宮ぷーも頷いてくれました。
 看護婦さんが私に、吸痰の方法、それから、ゴミの処理の仕方。注意事項なども教えてくださって、吸痰の器具も貸してくださることになりました。
 ああ、うれしいね。うれしいね。宮ぷーもとってもうれしそう。
 ねえ、宮ぷー、教育課程の講習会に行ったら、前の学校で一緒だった古河先生が声をかけてくださったよ。メルマガを毎日読んでくださっているそうだよ。そして、いつも応援してくださっているんだって。ねえ、仕事仲間もみんなみんな応援してくださってる。うれしいよね。
 首に力を入れることができるのを、午前中は、宮ぷーは先生にみてもらったのだそうです。そして、すごいねえってほめていただいたとのこと、どんなにうれしかったことでしょう。自分ががんばって、それが認められるということは本当に本当にうれしいこと。人が輝けるのはそういう瞬間だよね。
 今日は他にもできるようになったことがあるよ。
昨日までは、朝の髭剃りや歯磨きのとき、宮ぷーに「持って」と声をかけても、なかなか指が持つ形にならなかったけれど、今日は上手に手を開いて、ひげそりを持ってくれて、私が腕を支えれば、短い時間なら持っていられる。電気歯ブラシも持つところが太いので、同じように親指と人差し指や手を開いて、持ってくれたよ。でも、普通の歯ブラシや舌ブラシは持つところが細いから、手は開いても、手で持っていることは難しいのです。
 そのお話をしたら先生が、リハビリの時間にスポンジで持つところを差し込むタイプのものを紹介してくださいました。わあ、これで歯ブラシももてるようになるね。さっそく注文していただくことにしました。
 それから、今日も「のど」の練習をしました。気切を親指で閉じると、昨日より早く口で息ができるようになって、それから、そのままテレビも観れたり、ちょっと眠くもなったんだよね。宮ぷーが痰をあがってきて、咳をすると、私が怖くなって、親指を離してしまうけど、きっと本当は、あのまま押さえていれば、痰は口にあがっていくのだと思います。先生も「スピーチカニューレは先生が使うかどうかを決められるのですが、今の状態をお話することはできるので、お話しますね」と言ってくださいました。わーい、うれしいなあ。先生にもお話したら絶対に喜んでくださいます。
 みなさん、本当に喜んでくださるのです。自分のことのように喜んでくださるのです。
 
 ねえ、宮ぷー、私は何度も何度も毎日思うよ。本当に私たちは幸せだね。お医者様、看護婦さん、介護士さん、先生、お友達、たくさんたくさんのお友達、亡くなった雪絵ちゃんやわたしの父、こんなにたくさんの人が、こんなに温か。毎日がうれしいのは、絶対にみなさんのおかげ。忘れずにいなくちゃいけないよね。
 今日は東京のみかちゃんとただしさんが、生キャラメルをいっぱい送ってくださったよ。みかちゃんはご自分の名刺に宮ぷーこころの架橋ぷろじぇくとの登録するメールのQRコードを印刷してくださってるんだよ。会われた方に、勧めてくださってるんだね。
私でもしていなかったことを、してくださってるとわかって、なんと言ったらいいかわらかないほど、ありがたくて、ありがたくて、胸が熱くなりました。
知らないところですすめてくださっている方が、どんなにたくさんおられることだろう。私もQRコードを持ち歩こうと思うよ。宮ぷーのこと、たくさんの方に知っていただくこと、お話することに勇気がいるけれど、みかちゃんやただしさんが勇気をくださいました。
毎日いただくメールも、こうしたらどうだろう。こんな方法もあるよ。この本がいいよというふうに、みなさんご自分のことや家族のように、いろいろと考えてくださる。
私がそんなふうに話したら、宮ぷーの目が真っ赤になっていることに気がつきました。
そして、「まけない まけないでがんばろう」と言ったよ。そうだよね。そうしよう。宮ぷーはすごいよ。本当にすごいよ。

集中リハビリ

  • 2009/12/17(木) 12:14:12

12/17
胃瘻の手術をした日から、宮ぷーのところへ行くとテレビがついていません。あの日、宮ぷーは「がんばる」と言いました。「たいいんするために」と言いました。数河-井。宮ぷー。パチパチパチ。毎日のように、行くと(ベッドを)「おこして」と言ってくれます。それで昨日はすごいことがあったのです。右側の首はもう、本当にしっかりして、ぐらぐらしていなくて、だらりと頭が下がったりもしないのです。左側はやっぱり、使っていない分、だらりと下がってしまいます。「ねえ宮ぷー、頭を起こして、まっすぐして」と頼んだのです。そうしたら、宮ぷーは目にぎゅーっと力を入れました。そして、首が少しずつ揺れ出しました。それからエイヤーという感じで首が起きて、半分までもとにもどって、それから「もうちょっと、もうちょっと」というと、また力を入れてほとんどまっすぐにまで戻すことができたのです。宮ぷーすごいー。宮ぷーの頑張りに私は涙がとまらなかったよ。宮ぷーも目をうるうるさせていたね。うれしかったんだね。
宮ぷーはすぐにまたガクンと首を落とした。それはもう一回練習しようという気持ちだったんだね。そして二回目。一回目にすごく力を使ったのだと思うのです。前よりも時間が少しかかったし、三回目は斜めに起こすところまでで、首がまた下がり出しちゃった。けど、宮ぷー、本当にすごいよ、すごいよ。先生が教えてくださったよ。
今できないことをしようとするときには、ものすごいエネルギーと力を使う。すごい精神力がなくてはできないことだって。
レッツチャットの使い方もとても上手になって、今日は、いったいどうやってするのかわからないけど、宮ぷーの車のレガシーをカタカナで表していました。「レガシーのしゃしんみたいな」
宮ぷーはこのあいだは、おうちの写真を見たいなって言ったよね。だって、倒れてから一度も帰っていないし、レガシーのことも目にしていないんだものね。わかったよ。銀ちゃんの写真撮ってくるよ。前からも後ろからも中の様子もみんな撮ってくるからね。
一昨日あたりから、メルマガの配信に時間がかかっているようなのです。いつも8時くらいだったけれど、一昨日も昨日も、私のパソコンには8時頃届いていたけど、携帯に届いたのは、一昨日の分は昨日の朝7時45分に届いたよ。おそいなあと心配してくださった方もおられました。ありがとうございます。
そんな状況なので、遅れる日もあるかもしれません。でも、毎日、星野さんは配信してくださっているので、どうぞご安心ください。
12月22日は終業式。私は、年末年始のお休みも利用して、思い切って2週間のお休みをいただくことにしました。年末に3日と年始に2日お休みをいただくと2週間ずっと続けてお休みができることになるんです。
宮ぷーが倒れてから一ヶ月後くらいの頃だったと思います。NHKスペシャルで「私の声が聞こえますか?〜植物状態からの帰還〜」という番組がありました。
私は先生にみやぷーは一生植物状態だと言われていたので、むさぼるようにその番組を何度も見ました。その番組のHPの冒頭の文章です。「目は覚めていても、呼びかけには応えることがない「植物状態」の患者。交通事故や脳卒中などで脳に損傷を受け、意識を失っている状態だと考えられている。“回復の見込みが薄い”としてこれまでは積極的な治療は行われてこなかった。しかし最新の脳科学によって、植物状態の患者でも回復の可能性があることが明らかになってきた。
日本大学医学部では、患者の体内に埋め込んだ電極から、脳に直接電気刺激を送る治療を行ってきた。電気刺激によって残った脳細胞を活性化させようというもので、実際に多くの患者がこの治療を受けて回復している。また茨城県の病院では看護師を中心に患者に様々な姿勢をとらせたり、味覚や聴覚など全身の感覚を刺激したりすることで状態を改善する取り組みが行われ成果をあげている。これらは治療が不可能だと考えられてきた植物状態の常識を変えるものとして、世界的にも高く評価されている。
見過ごされてきた「植物状態」の患者。その治療の最先端の現場で、植物状態から回復していく患者の姿を記録し、人間の回復力と脳の未知なる領域での変化を描く」
私と恭子ちゃんは、一月半くらいたったときに、このままであれば、体に電極を埋め込む手術のことも本気で考えたし、先生に、もしこのままであればそうしたいというようなことも話をしたよ。番組には何人かの方にスポットをあてておられた。高校生の女の子は、手術のあと、足を少しずつ動かしたり、それから、おもちゃの電子ピアノに指を動かし、曲を演奏していたし、それから、茨城県の病院で、様々な姿勢をとらせ、全身の感覚を刺激したりという治療を受けた男性は、確か3週間の治療で、一日6回のリハビリを続け、退院するときには、奥様の作られた食事をペーストにして食べておられたんだよ。
私にとって、一年の中で、こんなに長いお休みをとれるのは、この時期だけだよ。二週間というお休みは短いけど、でも、三週間でテレビの中の方も大きな変化があったのだもの。番組の男性のように、機械を使って立ったり、座ったりということはむずかしい。でも、できることをするよ。
そうだよね、ねえ、宮ぷー、いっぱい座ろう。あぐら座りなんかなら、なんとかできるかな? そして私考えているんだけど、洗面器にお湯もはって、机の上に置いた洗面器の中に両手をつけたり、むずかしいかもしれないけど、顔も宮ぷーの手で洗ったらどうだろう。タオルも宮ぷーの手を添えるようにして、宮ぷーが顔を拭いているみたいにしたらどうだろうと思ってるよ。

病院へ行くと、昨日の工夫のナースコールはやっぱりむずかしかったことがわかったよ。先生が練習を何度もしてくださったのだけど、宮ぷーは「せんせいやかっこちゃんがいないときいちどもなーすこーるおせないやっぱりおせない」と言うのです。
まだナースコールをぜんぜん使えなかった頃、親指がナースコールから向う側へすべりおちないようにと、ペットボトルの肩のカーブのところを切って、ナースコールにカバーを付けたのです。けれど,最近になって、それが親指にあたって親指が痛くなってしまって、痛くないようにスポンジ型の滑り止めでカバーをつつみました。ところが、そのために、今度は、親指がすべらずに、押せなくなっているのかもしれないとも思ったのです。それで、包んであるものを昨日は外しました。それがないと親指が痛いけど、それがあると指がすべらないので、どうしたらいいのだろうと思います。
はずしたことで、私がいるときだけど、一回押せました。でも、親指は痛いそう。うーん。どうしよう。なんとか明日には押せるようにしておかないと、土曜日と日曜日。私、宮ぷーのところに行けないんだもの。
宮ぷーが倒れてから、一度も学校の懇親会などに行っていなかったのです。けれど、今日は作業班の4人での食事会。病院のすごく近くに場所を設定してくださって、一時間ほどでかけるわと宮ぷーに言ってありました。
病院へ行くと、痰もいっぱい出ていて、「くるしい」という宮ぷー。ゴロゴロ言っていたし、ナースコールは押せないし、やっぱり行くのやめようかなあって思うほどでした。
でも、宮ぷーは「いってらっしゃい」と言ってくれました。だから、一時間ほど出かけて、また帰ってから、ナースコールを治したりしていたよ。
今日は雪が降りました。雪の運転、その年の最初の雪はいつも怖いけど、銀ちゃんは四駆だそうで、すべることもなくて、怖くないです。
みなさんのおすまいの場所のお天気はどうでしょう?
お体大切にされてくださいね。

宮ぷーのこの字

  • 2009/12/14(月) 12:12:46

12/14
わあ、晴れてる。まだ暗いけど晴れてる。今日は胃瘻の交換の日。病院にお勤めの方や、それからいっこちゃんも(病院の中の学校にいます)だいじょうぶだいじょうぶ、すぐに終わる簡単なものだからと教えてくれました。それだったら、いっそう晴れていて、お出かけ、ドライブを楽しめるといいなあと思います。
 昨日は血尿が出たり、おしっこの中にたくさんのモロモロが出ていたことを思い出していました。昨日はウンチやおしっこでぐっしょり濡れていたので、看護婦さんや介護士さんが、ベッドのシーツも病衣も全部交換してくださったので、何度もゴロゴロあっちへこっちへと動いたのそのあとだったのです。前のときもそうでした。
 そのあとたくさんのモロモロが出て、そして、次におむつの交換のときに、血尿が出ていました。モロモロは普段、私たちのおしっこの中にも少しずつは入っているものらしいけど、重さがあるので、寝てすごしているとそれが沈殿して、上澄みだけがおしっことして出てくるので、動かさないからだの下の方にたくさん溜まって、何かのときにたくさん出るらしくて、出ることは大切なことだということだったのです。でも、おしっこの中に血液がまざっていることは絶対によくないと思うのと、やっぱり、もっともっと体を起こしたり、ゴロゴロしなくちゃ。モロモロもきっとお腹の中に残っている血尿も出しちゃわないとと決意のように思いました。
 それとね、お友達がこんなお話しがあるよと教えてくださったお話しがあるのです。「男の子が交通事故で脳に重い障害を受けて、意識がなくなってしまって、看護師さんが、一生懸命なんとかしようと考えられたのです。いろいろ看護しても、なかなか思うような結果が出なかったので、もう一度脳についての学習を始めたら、脳幹にはすわるとか立つなどの姿勢を感知して動けるように血液の量を調整する働きがあって、長い時間寝たままだとこの働きが弱くなるということを知ったそうです。そこで、男の子をはらばいにさせたり立たせたりしたら、男の子の目からつらかったのか涙が流れて、でも、はげまして続けたところ、すごく回復がめざましくて、数ヶ月後には立てるようになったんだって、そして、意識もしっかりした」その話を宮ぷーにも読みました。
 ねえ、もっと座ろうよ。どんどん座ろう。リハビリのときは、手や足が動いてきたから、車いすや座ることに時間をつかってしまうと、それだけでどうしても終わってしまう。だから、私といるときは座ろうよ。そうだ、もうすぐ、冬休みが来るよ、だから、いっぱい座ろうよ。そう話したのです。宮ぷーはうんとうなづいてくれたけど、このごろ体調を崩していたり、いろいろなことがあって、あまり体を起こしていなかったので、すぐに、「たおして、苦しいから」と言うのです。でもねえ、宮ぷー、この男の子もきっと苦しかったよ。座っていたら、咳き込んで痰も自分で出せるよ。そのときは苦しいけれど、自分で出せるようになったら、気切もはずしていける。首もしっかりする。脳幹にも刺激が送れる。だから、座ろう、絶対に座ろう。
 宮ぷーは自分の思いが通らなかったからか、それとも苦しかったか、一筋涙を流したの。だから、やっぱり倒そうかなあと思ったけど、思い直して、ね、もう2分、座っていよう。まだ座ったばかりだもの。そういったの。おとといは丸山さんたちが来てくださって、宮ぷーはギターや歌が観たくてそのときは30分以上も座っていたよ。前は、リハビリでもっと長い間も座っていたよ。だいじょうぶいけるよ。
 そして、2分のあいだに、なんだか宮ぷーはきっと気持ちの切り替えができたのだと思う。2分経って、「たおす?」と聞いたら、首を振ったよ。「もう少し座る?」と聞いたら、うんってうなづいた。そしてね。そのとき20分。そして、そのあとも、体向のときや胃瘻のごはんのときに、座るのをやめても、また何度も昨日は座れたんだよね。
 座るといっても、ベッドを起こすだけだから、リハビリのときみたいに、足をベッドから出して、腰掛ける?って聞いたら、宮ぷーはううんと首を振って「かっこちゃんじゃこわいな」と言いました。そうだよね。力ないからなあ・・。
 ね、そうしよう。いっぱい座ろうね。座ったら足も見える、そうだよ。そして、足も動かしているのを見ることができるもの。
 昨日は家に帰ったら注文していた天井に映る時計が届いていたよ。ああ、よかった。宮ぷーが喜ぶよ。壊れた時計はシンデレラみたいな文字の時計だったけど、これはアラビア数字の時計。壊れた時計もなおそうね。そして、これも使おう。
 明日はね、一年に一回、教育委員会の方がこられて私たちの授業を見て行かれる日なのです。それでね、何人かが授業をして、そのことについての授業反省とかがある日です。私もするよ。もちろんいつも準備をしておかなくちゃならなかったり、お教室もきれいにしとかなくちゃならないけど、でも、お客さんが見えるので、やっぱり、みんなきれいにしたり、授業の準備をされたりもしています。
 私もちょっと準備をしてたよ。たいしてしてないけど、でも、にがてな書類も書かなくてはなりません。それから、ちょっと教材を気を張って作ったりもしました。だからね、ちょっと寝不足。ううん、でも、ちょっとだけです。宮ぷーは昨日眠れたかなあ。
 学校を出ると、みぞれが降っていました。冬の5時すぎはもう夜ですね。
 病室に近づくと開いたドアからレッツチャットの読み上げの声が聞こえていました。
 ただいまと入っていくと、宮ぷーがうっていたのは「お・か・え・り」の文字。うれしい。ありがとう。宮ぷー、今日はどうだった?目でだいじょうぶと返事をしてくれたけど、あまりだいじょうぶじゃないみたい。新しい時計も「わーい」と喜んでくれたけど、手を触ったら、汗をじっとりとかいていました。熱が出ちゃうのだろうか。あわてて計ると37,1度。まだ熱があるというほどでもないけど、でも、心配。胃瘻を付け替えたからだろうか? それとも血尿が出ていたからかな?
 そしてとても苦しそう。宮ぷーはレッツチャットで「なーすこーるおせなくてくやしいてのつけねかばーがあたっていたい」と言いました。ナースコールには指が落ちないように、カバーがとりつけてありました。スポンジでできている滑り止めを切って、カバーに縫い付けました。でも、縫いながら心配でした。レッツチャットを指で押せなくなっていたけど、ナースコールは何度も押してもレッツチャットのように、重ねて打つことにならないからだいじょうぶと思っていたけれど、どうも、震えることで、力が入っていない気がしていたのです。ナースコールをとりつけてみると、やはりそうでした。失調で手が震えて、親指も他の指も動かそうとするたびに、揺れて動いて、力がはいらないのです。
 ああどうしよう。ナースコールは宮ぷーにとって、すごくすごく大切なもの。もし、ナースコールが押せなかったら、つらくなったときにどうしたらいいの? 長い間、看護婦さんにつらいこと伝えられない。どうしたらいいの?
 それに、今日は特別息がつらそうなのです。
 私は、宮ぷーの前で泣かないでいようと思うのに、それなのに、すぐ泣いてしまうよ。
「ごめんね。ごめんね。あー、ごめんね宮ぷー」
「どうしてあやまるの?」と宮ぷーが聞いたよ。「だって、宮ぷーが苦しんでいても、私何もできないもの」
宮ぷーは「なかないで」と言ってくれました。そして、「みやぷーのこのじ」と言ったのです。そして、痰があがってきて、咳き込んで、頭のスイッチがずれてしまって、宮ぷーのこのじの意味がわからなかったのです。
 でも、また口をぱくぱくしたので、すぐに頭のスイッチを宮ぷーの頭の下に入れました。
宮ぷーはびっくりすることを言ったんだよ。
「みやぷーのこのじんせいしあわせだよ」
宮ぷー、どうして?どうして?こんなにつらいよ。こんなに苦しいよ。どうして? 宮ぷーのこの人生、倒れたのに、倒れても幸せなの?
 宮ぷーは目でうんとうなづきました。
「かっこちゃんがいてくれる
宮ぷー、本当にそんなふうに思ってくれるの? どうして、そうだよって返事をするの。私がいたら、倒れても幸せなの? 宮ぷーは何度聞いてもうんって言ってくれて、私はしゃくりあげてわんわん泣きました。宮ぷーの腕をほっぺにのせて、ベッドに頭を押しつけてわあわあ泣きました。
 宮ぷーが私の髪をさわってくれたから、私はやっぱり泣けました。
 宮ぷー、私なんて、何もできないのに、そんなふうに言ってくれるの?

今日は帰りたくなかった。だって、ナースコールが押せないし、熱も出るだろうかと心配だったから。でも、今日は大好きな看護婦さん。何度も宮ぷーの顔をのぞき込んで、お薬少し早めに飲もうね。今日は胃瘻の手術したから、9時に初めてお食事入れるんだけど、私がちゃんと見ているからね。宮田さん、痛くない? 寒くない? ナースコールこうしたら押せないかな? こうしたらどうかな?
 こんな晩に、大好きな看護婦さんがいてくださってよかったね。宮ぷー、本当に良かったね。